タウンクラブおよび中体連の選手を対象とした「関東トレセンキャンプU-14」を実施しました。
本事業は、将来を見据えた選手育成の一環として、選手に「日常」とは異なる環境を提供し、自身の現在地や課題を客観的に捉える機会とすることを目的に、関東各都県から51名の選手を招集して実施しました。
事業の開始にあたり行われたキックオフカンファレンスでは、本キャンプのテーマとして
①「関東から世界へ」
②「自分を知る」
の2点を共有しました。
高い基準に触れることで視野を広げるとともに、自身の強みや課題を認識し、今後の成長につなげていくことを本事業の狙いとして位置づけました。
本キャンプでは、試合とトレーニングを連動させたM(Match/試合)-T(Training/練習)-M(Match/試合)方式を採用し、試合で得た課題をトレーニングで整理・改善し、再び試合で発揮するというサイクルを通して、実践的な学びを深めるプログラムを展開しました。
初日は、JFAフィジカルフィットネスプロジェクトによるフィジカルリテラシー講座およびフィジカル測定を実施しました。
講座では、競技力向上に向けて、食事や睡眠の「質」と「量」を高める重要性について学び、日常生活を含めた自己管理意識の向上を図りました。
また、フィジカル測定では、参加選手それぞれの測定値と現在のU-15日本代表選手の実際の数値を比較したデータを提示し、将来の成長に向けた具体的な指標を示しました。
初日の試合では、ボールを奪う際のアプローチのスピードや間合い、タイミングに課題が見られましたが、2日目のトレーニングおよび夜間講義を経た3日目の試合では、素早いプレッシングや連動した守備が多く見られるようになりました。トレーニングで得た学びをプレーに反映する場面が随所に見られ、選手たちの高い理解力と適応力が確認できました。
また、集合時には緊張した様子を見せていた選手たちも、キャンプを通して多くの刺激を受け、解散時には3日間の経験を今後の成長につなげようとする前向きな姿勢と、充実した表情で帰途に着きました。



◆中村楽 氏(群馬県FAコーチ)
関東から世界を意識するきっかけをつくるとともに、選手一人ひとりが自身の現在地を確認し、今後のチーム活動や成長に活かしてもらうことを目的としました。
「世界で活躍する個を伸ばす」ことを意識し、主なトピックとして「ボールを奪う」ことに取り組みました。初日は緊張も見られましたが、ゲームでは相手との距離を詰めて積極的にボールを奪いにいく場面が多く、日常の活動で積み重ねてきた成果が感じられました。一方で、局面に関わらない選手の次の準備といった課題も見受けられました。
2日目は、午前に「ボールを奪う」をトピックにアプローチのスピードや間合い、複数人での守備を中心にトレーニングを実施し、球際の厳しさが随所に見られました。午後は「ゴール前の攻防」をトピックに、守備に加えてゴールを奪う意識にもアプローチし、迫力のあるトレーニングとなりました。
最終日のゲームでは、チームとしての一体感が高まり、ボールを奪いにいく選手と次のプレーを準備する選手の連動も多く見られました。キャンプを通して、選手たちの成長を感じることができ、「日常」を変えるための「非日常」の刺激を十分に経験する機会となりました。
最後に、関東各FAからご参加いただいた指導者の皆さま、選手を送り出していただいた各チームの皆さま、関係者の皆さま、そして会場・施設関係者の皆さまの多大なるご協力に、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
◆岡村建汰 選手(三菱養和SC巣鴨ジュニアユース)
最初は凄く緊張しましたが、「少しでも自分が成長しないと」という思いを絶対に忘れないようにと考えて臨みました。
1日目は自分の中であまり納得のいくプレーはできませんでした。話したことのない人との試合。慣れない天然芝。色々な事がありましたが、これが自分の実力だと受け止め2日目を迎えました。2日目の技術的な練習は、自分が成長できてると感じられ3日間で一番楽しかったです。シュート、守備の時の立ち位置、寄せの所など1段階成長できた実感がありました。“この合宿で成長する”という目標が達成できたので良かったです。最終日のゲームは、上のカテゴリーに行く為に得点や目立つプレーをして絶対に活躍したいと思ってました。思い通りに出来た場面も有りましたが、シュートまで行くのに決めきれなかったり、守備で抜かれる場面もあったりして自分はまだまだだとすごく感じました。自分の夢は世界で最高の選手になり、日本代表になる事です。そこを目指す上でまだまだ練習を頑張らなきゃ行けないし、レベルを上げていかなければいけないと思いましたが、今回のキャンプに参加して得た経験は自分の中ですごく大きいものになったと感じました。うまく行った事、行かなかった事をしっかり自分の中で分析して、必ず世界最高の選手になります!
◆橋井律人 選手(ジェフユナイテッド市原・千葉コラソン)
自分は早生まれとして参加しましたが、初日のゲームでボールを持った時の間合いや距離の詰め方、パスが出てくるタイミング、ポジショニングなど、同世代の選手とやる時との違いを感じ、多少のやり辛さが有りました。宿舎に帰り今回のチームメイトと「どういう動きをして欲しいのか」などを話し合い最初よりは動きやすくなりましたが、自分の対応力が足りなく得意とするボールを持って敵をかわし、ゴールに直結させるパスやシュートというプレーがあまり出せなかったことが課題だと感じました。
また、この合宿で一番心に残ったことは身体作りです。仲間とBMI(体重と身長から算出される値)を比較し合い、数値が高い選手はぶつかっても身体がブレないし、逆に低い選手はブレてしまっているのを見て、食事の重要性に改めて気付いたのでこの合宿が終わっても食トレをしようと思いました。また体幹トレーニングをしている選手は、身体の軸がブレていなかったので体幹トレーニングを取り入れようと思いました。
自分は、市立船橋高校への進学を予定しています。まず一年生で試合に絡みプレミアリーグに昇格させること、全国大会で優勝すること、そして日本代表としてW杯で優勝することが自分の目標です。
◆矢内礼真 選手(前橋FC)
まず関東トレセンキャンプに参加して、技術面だけでなく、考え方やサッカーに取り組む姿勢の大切さを学ぶことができました。普段はやっていない人と普段経験できない環境の中で、周りの選手の意識の高さやプレーの質に刺激を受け、自分にまだ足りないところが改めてわかりました。また指導者の方々からは、“自分でボールを奪う事”や“ゴールを奪う事”など練習で分かり易くご指導頂きました。このキャンプを通して、自分の課題が明確になりました。特に自分は背が小さく体重も軽いので、サッカーだけでなく食べることに対する意識が変わりました。また自分の夢である日本代表や海外で活躍する選手になるためには、今回ミーティングの際に映像で見た守備の仕方やキックの質がとても高く、今の自分とは全然違うと感じ、自分はまだまだ足りない、今のままでは海外では通用しないと強く感じました。これからは、今回のキャンプで得た事を意識して、日常の中に取り入れながら体幹トレーニングやストレッチ、食事の改善を今以上にやっていきたいと思います。
関係者の皆様、このような機会を与えて頂きありがとうございました。
◆横堀成 選手(桐生大学附属中学校)
まず1日目のBMI測定をしてみて身長の割に体重が軽かったので、れからはご飯をいっぱい食べて体重を増やしBMIを増やしていきたいです。紅白戦では初めて会ったメンバーといきなりの試合で合わない所もあったけど、コミニュケーションを取ることでこうゆうプレーがしたいなとが分かってきて初日としてはいい試合ができました。ミーティングでは守備の寄せが甘いとロングシュートを打たれての失点に繋がるから寄せを早くしてシュートを打たせないようにする必要があるということが印象に残りました。2日目の午前の練習テーマは“ボールを奪う”でした。なるべく前向きで奪うことと、ボールを取られても切り替えを早くすることを意識しました 午後の“ゴール前の攻防”では、短いコートで3対3、5対5を行い、シュートを打たせないために前からプレスをかけることなどを意識して練習しました。3日目 最終日、試合だったので気合いも入っていました。試合ではボールの移動中に寄せる、ボールを取られた後の切り替え、CBのカバーを意識して、プレーしました。この関東トレセンキャンプで学んだことを自チームに持ち帰ってこれからも意識して自分の夢でもあるプロサッカー選手を目指して行きたいです。
◆平井宏幸 選手(CIELO FC)
今回の関東トレセンキャンプは、自分にとって大きな成長の場になりました。最初は初めて会う仲間との連携に戸惑いましたが、GKとして一番後ろから声を出し、積極的にコミュニケーションを取ることで信頼関係を築くことができました。
技術面では、基本であるキャッチングの手の形や構え方を改めて見直しました。特に、ボールを確実に掴んでから素早く起き上がり、適切な方向へプレーを展開する動きは、攻撃の起点としてとても重要だと実感しました。また、試合形式ではDFラインの裏への抜け出しに対するカバーリングの対応を常に意識してプレーしました。
ここで学んだ技術や意識を自チームに持ち帰り、内容をしっかり共有しようと思います。チームの戦力向上に貢献すると同時に、将来プロで活躍したいという夢を現実化させるための糧にしていきます。