一般社団法人関東サッカー協会

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【レポート】第2回関東フットサル審判講習会
配信日:2025/12/19 カテゴリー:インフォメーション

2025年12月6日(土)7日(日)、神奈川県アサンテスポーツパークにおいて、第2回関東フットサル審判講習会が実施されました。今年度、昨年度2級に昇級された方を中心に『笛』『シグナル』『動き』をテーマに、全日本U-15選手権関東大会、全日本U-15女子選手権関東大会のレフェリングを行いました。選手同様、審判員もしっかりと準備して大会に臨み、よいパフォーマンス発揮することができました。

 

 

 

◆矢口武志 氏(神奈川県所属)

2日間で計6試合を担当し、その最後に待っていたのは男子決勝戦でした。全国大会への切符を懸けた一戦。その主審としてピッチに立つ機会を与えて頂いたことは、審判としてのキャリアの中でも特別な意味を持つこととなりました。会場を包み込む張り詰めた空気、攻守が目まぐるしく入れ替わる展開、そして一瞬たりとも緩むことのない選手たちの気迫。映像を見返した今でも、その緊張感と高揚が鮮明によみがえります。審判という立場で、これほどの熱量を真正面から受け止める舞台に立たせて頂き、皆様には心から感謝しております。

今回の研修テーマは「関東リーグにおいて信頼されるレフェリングとは」。

今年6月、2級へ昇格したばかりの私にとって、このテーマは非常に奥深いものでした。昇格前、2級とは高度で卓越したパフォーマンスを常に発揮し続ける、特別な存在だと考えていました。しかし研修を通じて分かった答えはもっと本質的なものでした。信頼を積み重ねるのは、派手さではない。「基本動作を、どんな状況でも、徹底し続けること」。自分の視線をもう一度足元に戻し、審判としての原点と正面から向き合うこととなりました。

シグナル、笛、ポジショニング。

競技規則に基づき、状況に応じて正確に、丁寧に示し続けること。それは「できて当たり前」の作業ではなく、準備と経験を重ねてこそ初めて安定して発揮できる重要な技術です。研修期間を通じ、シグナルや笛についてアセッサーから一定の評価をいただけたことは、大きな自信となりました。しかし、決勝戦は同時に、自身の未熟さをはっきりと突きつけられる舞台でもありました。

選手、スタッフ、応援者。その全員が全国大会への“たった一枚の切符”を懸け、すべてをぶつけ合う試合。主審には、最善の判断と、審判団を束ねる質の高いコミュニケーションが求められましたが、主審である自分よりも、他の審判員がより正確に事象を把握していた場面での対応が大きな課題となりました。本来であれば、その情報を冷静に引き出し、最終判断へとつなげるべきでした。しかし現実には、「主審として事象が見えていなかったことへの焦り」や「未熟さを認めたくない感情」が先に立ち、十分な情報把握ができないまま最終判断してしまいました。主審とは何か。審判団を信頼し、全体を俯瞰した上で決断する存在であることを、痛みを伴って学ぶこととなりました。

また、研修期間中には同期の審判員たちとの交流の時間も取れました。同じタイミングで2級に昇格し、志を共にする仲間たちの高い意識に触れ、大きな刺激を受けることができました。

うまくいったことも、いかなかったことも、すべてが次につながる材料です。関東リーグにおいて信頼されるレフェリングを実現するために、まずは基本を磨き続け、仲間とともに前へ進んでいきたいと思います。

 

◆小野田綾子 氏(東京都所属)

この度アサンテスポーツパークで開催された2025年度第2回関東フットサル審判講習会に参加させていただきました。本研修は全日本U-15選手権関東大会及び全日本U-15女子選手権関東大会を用いて2日間にわたり行われました。

1日目、試合前の事前研修では研修テーマ「新2級としてやるべきこと」に取り組む際の3つの要素…①シグナル、②笛、③ポジショニング・動きについて様々な試合の映像を見て学びました。その後、主審、第2審判、第3審判、タイムキーパーを各1試合ずつ担当しました。

主審・第2審判を担当した試合では、適切なポジショニングをとれていない場面があり改善に向けてご指導いただきました。インストラクターの方から「(攻撃の展開のスピードに遅れる場面で)結果的に無駄走りになるかもしれないが、適切なポジショニングのためにダッシュする癖をつけるとよい」と教えていただきました。

また、第3審判を務めた試合では、監視の分担やタイムアウトの要求など「気づく・感じ取る」タイミングが遅くタイムキーパーにフォローしていただく場面があり、予測や他の審判との連動した動きと連携の重要性を感じました。

2日目は女子準決勝のタイムキーパーと決勝の主審を担当しました。

決勝戦は全国大会出場を懸けた試合で両チームの熱量も高く緊張感がありましたが、基本に立ち返り研修テーマの3つの項目であるシグナル、笛、ポジショニング・動きを意識して臨みました。試合は接戦となり、試合終了の笛を吹いた瞬間、両チームの選手の表情や姿を見て、このような重要な試合の審判をさせていただいた事に感謝するとともに、その責任の重さを改めて実感しました。

研修テーマの「新2級としてやるべきこと」は、審判として信頼を得るために、シグナル、笛、ポジショニングなどの基本を外さず、やるべきことに対して妥協しないこと、加えて判定精度向上のために積極的に動くことだと思いました。

本研修では他の研修生や先輩方のレフェリングを見て学び、交流をはかることができ有意義な2日間でした。自身のレフェリングにおいて課題や改善点が多くありますが前向きに真摯に取り組んでまいります。

最後に、本大会に参加されたチームおよび関係者の皆様、ありがとうございました。

また、大会開催にご尽力いただきました関東サッカー協会フットサル委員会ならびに神奈川県サッカー協会フットサル部会、神奈川県フットサル連盟の皆様、本研修に推薦してくださった東京都サッカー協会の皆様に心より感謝申し上げます。