2023年1月 14日、15日に第3回関東フットサル審判研修会を実施いたしました。
本研修は第28回全日本フットサル選手権関東大会の試合を使った実技研修です。各都県から11名の審判員が参加し「協力」というテーマのもと、試合に望ました。各試合後は潟永達治フットサル1級インストラクターを中心とした6名のインストラクターとともに、振り返りと映像分析を行いました。
最後に、本研修会にご協力いただいた千葉県サッカー協会の皆様には改めて感謝申し上げます。
◆平松 大輔 氏(東京都)
まずは大会をスムーズに進行して頂きました千葉県サッカー協会の皆様、並びに関係者の皆様に感謝を申し上げたいと思います。
この度は東京都の代表として推薦して頂き、この大会に臨ませて頂きました。
私達研修会参加審判員にとっては次年度のフットサル1級昇級審査に推薦されるかどうか、各大会参加チームにとっては全国大会出場に向けて負けられない試合となるため、リーグ戦とはまた違う意味でとても緊張感のある大会となりました。
今回の研修会では「4名の審判員で協力して試合をコントロールすること」と「個人目標(競技者が集中して全力でプレー出来る環境を作る。ということを設定致しました。)」を設定するように伝達されていました。
「協力」という点ではフットサルはそれぞれの審判員の距離が近いため声での確認もし易いです。そのため、事象によってはプレーの再開前に審判員同士で「何があったからどのような再開にするか」を簡潔に意思疎通することが出来ます。ただ、スピーディーに展開されるフットサルではこれがなかなか勇気が要ることです。タイミングが悪いとプレー再開の妨げになってしまったり、要らぬ混乱をチームに与えてしまうこともあるからです。個人的には「今言おう。確認しよう。」という感覚を大事にしています。競技規則には記載されていない感覚の部分になります。
それぞれの設定に対して上手く出来た!と思うことも有りましたし、試合中は上手く出来たと思っていても映像で見返すと違う判断や判定をしても良かったと感じる場面もあるため、いかにこの感覚の違いを追求していくかというのは審判活動の醍醐味と思っています。追求の積み重ねで競技者の皆さんが試合に集中出来れば激しくてタフなプレーやとても魅力的な得点シーンを演出することに繋がるかもしれません。
競技者の皆さんもより高いレベルでプレーしたいと思うように、私もより高いレベルやカテゴリーで審判をしたいと思っています。そのレベルで活動出来る様に今回の研修で上手く出来たこと、改善点を振り返り、次の審判活動に繋げていきたいと思います。
◆松田 卓磨 氏(千葉県)
「協力」というテーマのもと開催された研修会。フットサルは、2人とも笛を持つ主審と第2審判、ピッチ上にいる2人が判定を下すにあたり、採用するしないにかかわらず、反則、不正行為について知らせなさい、という任務を負う第3審判、時間の管理が主でありながら、試合の情報を提供する、という任務もあるタイムキーパー、基本的にこの4人の審判員で行われます。
それではこの競技において審判員の良い協力とは何なのか、特に今シーズンはこの点を考えることが多く、シーズン締めくくりの今研修は、この質問に対する答えを突き詰める良い機会となりました。
現在感じていることは、「あっ、」と思ったら他の審判員にきちんと伝える方がうまくいく可能性が高い、ということです。今回担当した試合でも、笛を持っているとき、反対側の審判員に近い事象で「あっ、ファウル」と感じ、そのままプレーが流れそうなときは、すかさず笛を吹いた。第3審判のとき、主審が確認できていない、対立を引き起こしそうな行動をとった競技者に対し、次のボールアウトオブプレー時に主審を呼んで伝え、マネジメントしてもらった、というシーンがありました。振り返ると、これらの行動でチームがフットサルに集中する方向へもっていくことができたと思います。
しかしながら、うまくいく「可能性が高い」と言及した通り、同じようなことをしても余計な行動となり、試合を難しくしてしまうこともあるのが、2人が笛とカードを持つ、フットサルにおけるレフェリングの難しさであり、おもしろいところです。自分が出過ぎた、自分の中で吞み込んでおけば良かった、というシーンも間違いなくあります。
これからもこの奥深いテーマ「良い協力とは何か」を追い求め、仲間の審判員、選手の皆さんとより高いレベルのフットサルを目指し、競技を楽しんでいきたいと存じます。