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【レポート】2023年度フットサル1級審判認定審査受験レポート
配信日:2024/04/02 カテゴリー:インフォメーション

当協会所属 佐山志功氏(東京都)、高橋凜平氏(東京都)が、フットサル1級審判認定審査を合格することができました。

受験に際しての取り組みレポートをお二人より提出いただきましたので、ぜひご一読ください。

 

左から2番目:高橋氏

左から3番目:佐山氏

 

◆佐山志功 氏(東京都)

お世話になっております。この度、フットサル新1級審判員となります佐山志功と申します。

先ずは、ここまで支えて下さった皆様、応援してくださった皆様へ感謝申し上げたいと思います。ここまで関わって下さり本当にありがとうございました。

2023年というシーズンは、私にとって特別なものになりました。辛く長いもので、何度も気持ちが折れそうになりましたが、終わってみれば楽しい1年でした。学生時代は実績や特に成し遂げた事も無い私にとって、当時味わうことができなかった青春を取り戻したかのような、そう言う感覚でした。

シーズン初めに今年の取り組み方として三つの事を設定しました。

「自分のやるべき事、役割を果たす。」

「他人に目を向けずひた向きに、目の前の事に真摯に取り組む。」

「泥臭く、真っ直ぐに、とにかく我武者羅に。」

3月に関東審判委員会フットサル部会の潟永部会長から1級受験推薦のお知らせを頂いた時、最初に考えた事は「自分の役割を果たそう」でした。

そしてその役割を果たす為の取り組み方として、「他人に目を向けずひた向きに、目の前の事に真摯に取り組む。」と言う事を目標に設定しました。その為に今の自分にできることは何だろうかと考えた時に、「泥臭く、真っ直ぐに、とにかく我武者羅に取り組むこと」でした。

審査対象の6試合では、どの試合でも「真摯に取り組む姿勢が良かった」「積極的に取り組んでいた」と評価を頂きました。また、ストロングポイントでもある「フィジカル、スピード」と「毅然さ」も良い評価をしていただきましたので、これからも磨きをかけて行きたいです。

一方、課題として判定の細かい部分、特にデュエルでの接触部位が安全かどうかについて挙げられました。

また、それらを見極められる為の細かいポジションの修正や適切なステップワークも修正が必要でした。

1次審査での指摘に対して、2次3次に進んで行くにつれて少しずつ改善できる様に、普段の割当からも意識して取り組みました。3次審査では「全体的にノーファウルの判定が良かった」と評価を頂くことができました。しかし、「一方で、不用意なプレーまでノーファウルとしている場面もあった」と言う評価もありました。試合の中で設けた基準からはみ出す判定も見受けられたと言う事なので、取りこぼさないようレフェリングに磨きをかけて行かなければならないと思いました。

また全体として、競技者へのマネジメントが課題でした。より良い試合コントロールに繋げる為の効果的なマネジメントのやり方やタイミングを、これからの挑戦の中で学んで行かなければならないと思いました。

1年間の闘いの結果、目標としていた通過点を取ることができたので、冒頭に申し上げた3つの事をブレずに自分の取り組みを信じて良かったと思いました。しかし、本当の闘いはこれからであります。さらに厳しい自分自身との闘いになる事が予想されますが、どんな時でもフットボールを愛し、フットボールを楽しむスタンスで取り組んで参りたいと思います。

各方面の皆様、今後ともご指導ご鞭撻賜りたく、お願い申し上げます。

VAMOS!

 

◆高橋凜平 氏(東京都)

この度、フットサル1級審判員に昇級させていただきました髙橋凜平と申します。

フットサル1級審判員認定審査は、予備審査のフィットネステスト(4月1日)から始まり、3次審査(12月23日)まで、フットサルの1シーズンに渡って行われました。審査では、フィットネステスト、2回の競技規則筆記試験に加え、実際の試合を使わせていただく実技審査が6試合ありました。1次審査は、関東フットサルリーグ(主審)と関西フットサルリーグ(第2審判)の計2試合。2次審査は、全国選抜フットサル大会で、主審と第2審判の計2試合。3次審査は、関東フットサルリーグ(第2審判)と関西フットサルリーグ(主審)の計2試合の評価により、合格が決まりました。各審査は、それぞれ合格基準が示され、基準に満たした者のみが次の審査へ進めます。審査期間がとても長く、心技体の全てを常に高水準で保ちつつ、よりレベルアップすることが求められたのでとても険しい道のりでした。

1次審査では、初めて関西リーグを吹かせていただき、関東リーグ、全国大会とは違った雰囲気での試合で、自分のレフェリングをあまり引き出せなかった反省がありました。

2次審査では、審判チームとして正しい判定をするための協力やアクションが不足していると特に指摘されました。フットサル審判員は、主審・第2審判の二人が笛を持って、判定を行うので、判定の一貫性はもちろん、判定の説得力なども考え、タイミングや動きが求められます。自分の見えているモノ、見えていないモノ、相方が見えているモノ、見えていないモノ、自分と相方と争点の位置関係、ゲームの状況など、どの選択がゲームマネジメントにとってより効果的か、審判チームのサポートとなるのかの俯瞰する目を考えさせられました。

2次審査終了後、自分は精神面でまだ覚悟を決められていないと振り返りました。全国大会や全国のレベル高い試合を裁く1級審判員は、難しい判定を求められることが多々あります。それでも瞬時な判断判定が求められ、それに対して様々な声をいただいてもブレない覚悟が必要です。自分にはその覚悟がまだ足りていないと感じました。3次審査までの2ヵ月間、様々な試行錯誤をし、その覚悟を決めると腹を括り、準備に励みました。

そして迎えた3次審査最終の関西リーグ。有り難いことにリーグ1位と2位の首位決戦の試合を担当させていただきました。試合はフットサルレベルの高いエキサイティングな試合でした。判定では、ハンドの反則でペナルティーキックを与える大きな判定を主審の自分は下しました。この判定は、自分の覚悟が決まっていたからこそ、自信を持ってできた判定ですし、審査員のコメントや映像からも明確に正しい判定であることが分かり、今後の自分の自信に繋がりました。

決して、審査始めの4月の自分では、合格できたとは思っていません。審査が進む毎に、常に成長する意志(チャレンジ精神)が自分を高め、強い覚悟を持つことができたからこそ、今の結果に繋がったと考えています。この1年間は、審査だけでなく、他にも数多くの経験をさせていただきました。この貴重な経験は、大きな人生の糧になりました。

これからは、相当高いレベルが求められます。それは、レフェリングだけでなく、覚悟も。更に人間性も求められることをこれまでの先輩1級の方々を見て感じます。

1級昇級はゴールとは決して思っていません。むしろ、スタートラインにやっと立つことができたと思っています。これからも初心を忘れず、今に満足せず、常に成長する意志を持ちながら、世界を代表する審判員を目指して、日々邁進して参ります。

最後に目標としていた大学在学中に1級昇級することが達成でき、23歳でフットサル1級審判員になれたことは、これまでの審判活動の成果が一つ形になり、大変嬉しいと思います。

同時に、この昇級は、決して一人では達成できなかったと感じます。そこには、指導やアドバイスをしてくださる審判仲間、応援し支えてくれた家族、友人、関わってくださったチーム、選手、運営関係者がいました。皆様に厚く御礼申し上げます。特にいつも温かく、結束力の強い関東のフットサルレフェリーの皆様がいなければ、ここまで辿り着くことができなかったと思います。今後は、この感謝の気持ちを審判活動で還元していきます。